YCAMスタッフによるレクチャー・ワークショップ

1月19日に山口情報芸術センター[YCAM]から3名のスタッフを迎えて、ワークショップが行われました。このワークショップは、平成25年度文化庁大学を活用した文化芸術推進事業「アート/メディア/身体表現に関わる専門スタッフ育成事業」の一環として、事業の受講生とIAMAS関係者を対象に実施されました。

前半はYCAMスタッフのレクチャーから始まります。IAMASの卒業生でもある伊藤隆之氏(InterLab・チーフ)は、ダンサーと情報環境の能動的な関係を生み出す装置「RAM」(Reactor for Awareness in Motion)の試みを紹介しました。
また、視線で絵を描く装置を開発するプロジェクト「The EyeWriter」が紹介され、オープンソースによって社会や文化がどのように変わっていくのかという展望が示されました。

つづいて、竹下暁子氏(パフォーミングアーツ・チーフ)は、野村萬斎氏、坂本龍一氏、高谷史郎氏のYCAMでのコラボレーション作品 「LIFE – WELL」のプロデュース経験をもとに、他分野のアーティストやエンジニア、研究者などを結びつけるプロデューサーやYCAMの役割についてお話されました。さまざまな分野の人が関わるプロジェクトにおいて、プロデューサーはチームの明確な方向性を示すのではなく、議論を活発化させるファシリテーターとしての役割が重要であることを指摘しました。

IAMASの卒業生で、YCAMの教育普及を担当する会田大也氏(エデュケーションプログラム・チーフ)は、2013年に実施された「コロガルパビリオン」を中心に、人とメディアの関わり方を考えるさまざまな事例を紹介しました。 また、作品を鑑賞したあとにお客さん同士が感想を語り合える場を提供する「Afrer Hour Cafe」や、ワークショップのプロセスを可視化するための進行台本の書籍化など、YCAMでの多くの事例が紹介されました。
このような現場でのさまざまな実践と、「教育とはなにか」という思想の連関のなかで生まれたYCAMならでは「教育普及」のノウハウや展望が示されました。

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ワークショップの後半は、前半のYCAMスタッフによるレクチャーから受講者がそれぞれ気になったトピックを取り上げ、それをもとに3つのグループに分かれてディスカッションが行われます。3つのテーブルに分かれた受講者は、それぞれのYCAMスタッフのもとで、「チームワーク」や「テクノロジー」「ワークショップ・エデュケーション」などのテーマで意見交換がなされました。
ワークショップの最後は、スタッフや受講者全員が円になって座り、一日の感想を述べ合いました。当事業の一環で2013年にYCAMの実地研修に参加した受講者からも、実際の現場での知見を踏まえての意見や課題点が示されました。

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メディアを使った表現を作り上げていくプロセスや、メディアそのものの関わり方を考える本ワークショップでは、「教育」や「メディア」の未来についても巨視的な意見交換がなされ、今後の課題を検討する機会となりました。