作品・プロジェクト

Common Flowers / Flower Commons

サントリーフラワーズ社は、オーストラリアのFlorigene社と共同開発し、元来青い色素をもっていないカーネーションに、ペチュニアやビオラからデルフィニジン系の色素合成遺伝子を採取し、花弁の発色を司る遺伝経路に導入することにより、青いカーネーションを誕生させた。このカーネーションは、コロンビアで栽培され、根を切り取られ、日本とヨーロッパと北米の切花市場で販売されている。遺伝子組み換え植物の多くは、食用や肥料用とし栽培されるが、この花は世界で初めて市場で販売された、バイオテクノロジーによるデザイン性を示唆するトランスジェニック生物である。

「Common Flowers / Flower Commons」プロジェクトは、切花である青色のカーネションを植物細胞培養(クローニング)し、根を生やして自生させ、新たな生命を与えることを試みることで、人が自然を所有しようとする欲望、遺伝子生物に関連する生命倫理や権利のグレーゾーンを浮き出している。