ありふれた時間 ありふれた時間

ありふれた時間

田尻麻里子

足が、さまざまな場所に置かれた卵の殻を踏んで歩く。クシャッという音が連なっていく。一刻一刻、時間を潰し、それまでの自分の世界を壊しながら生きていくように、一度壊れたたまごは決して元には戻らず、だが歩く行為は繰り返される。