池本貴子
国際情報科学芸術アカデミー|AND コース
意識の中へ
展示形態:インスタレーション
これは他者の意識を体験するための装置である。
この作品は植物状態になった父を介護した経験がきっかけとなりうまれた。植物状態は意識不明とされるが、もし意識があるとしたら、それは想像を絶する恐怖だろう。しかし人間には自然治癒力があり、精神的負担をできるだけ軽くするような力がもともと備わっている。私は人間の可能性を信じたい。
死の直前まで聴覚だけは残っていると言われているが、私は父に思いを告げなかったことを後悔している。片想いであったとしても話しかけなければ何も伝わらないから。