the Interaction 01




趣旨

世界のメディア文化のさらなる成熟をめざして

岐阜県大垣市に私たちの学校国際情報科学芸術アカデミーが誕生してからまる5年が経ち、今年の春には情報科学芸術大学院大学も発足しました。アカデミーの開校前年の1995年7月、記念行事として開催した世界メディア文化フォーラムは、その後2年に1度開くビエンナーレに発展し、この10月で第4回を迎えます。本フォーラムは、世界のメディア・アートの最新作を紹介する「インタラクション '01」展と、招待作家によるアーティスト・トーク、識者を招いてメディア文化の未来を語り合う国際シンポジウムからなっています。企画からカタログ制作、展示構成、運営までほとんどの作業をIAMAS(アカデミーと大学院大学の総称)の教員・事務のスタッフと学生たちで担当した、手作りのイベントです。変貌していく情報化社会のなかで、次々に開花し、成長していくメディア・アートの現在を紹介すると同時に、メディア文化の未来に対する私たちの抱負や提案を、世界に向けて発信する試みでもあります。みなさまの積極的なご参加と忌憚のないご意見を心から期待しています。


なぜインタラクティブ・アート展か

マルチメディア社会のめざましい変貌、デジタル技術の大きな発達のなかで、観客自身が作品にはたらきかけ、対話をすることのできる作品に注目が集まっています。観客の参加性を前提にした、インタラクティブ・アートともいわれるこの種の作品は、1980年代から注目を集めだし、世界各地で多くの作品が発表されてきました。キーボードやマウスなどはなるべく使わず、情報を制御するコンピュータも見えないところに置き、観客の声や動作、身振りで直接対話する、インスタレーション形式の作品です。いままでの美術館や画廊に並ぶ絵画や彫刻のように、作品の前で静かに鑑賞する芸術作品とは異なり、観客自身が主体的に作品と向き合い、作家と観客の合作によって、最終的な作品のイメージを生み出していく新しい作品の試みです。作家はあらかじめ観客の行動を予測してそれに反応する作品を用意し、いわば作家と観客の協力で作品の最終的なイメージが完成する新しい作品だといってもいいでしょう。私たちは過去3回のビエンナーレを通じて、世界のさまざまなインタラクティブ・アートの作品を紹介してきましたが、今回は、なかでも観客の積極的な参加によって、イメージが変化する作品群を選び、その対話をさらに楽しめる展示に工夫をこらしました。まず、会場で、進んでそれらの作品との対話を試みて、これからのメディア・アートの可能性について、考えてみてください。
なお、今回は今までのビエンナーレと異なり、世界の優れたCD-ROMやDVDを集めたコーナーや、IAMASの客員芸術家の作品のなかで、この地では未公開の作品も紹介いたしします。また過去5年間のIAMASの歴史とその成果の一端を紹介するために、 IAMASの卒業生や教員による作品のなかから幾つかを選んで展示するコーナーを新たに設けました。
この展覧会の開催に際し、世界各地から参加された作家の方々、 およびその実現のためにご協力くださった方々や諸機関に厚く感謝いたします。


概要趣旨作品紹介イベント会場へのアクセス
IAMAS