STUDENTS' FORUM



テーマ『風土』のための作品

「風土」 -Natural Feature-
ここ数年、世間に発表されているデジタルを駆使した作品の多くは、表現がパターン化 され、これといった特徴を持った内容は含まれていません。InternetやCD-ROMなどを見 回してみても、最近、目立つものがないことに気付くことでしょう。これはメディアや オーサリングツールに頼ったデザインや内容を選択しているため、本来デジタルの持つ 意味や面白さを表現するまでに至っていないことが考えられます。デジタル分野の人材 不足などの影響で、安易な制作と定版のデザイン、売上の良い内容が選ばれ、マンネリ 化を起こす原因となっているのではないでしょうか。 これからのデジタルコンテンツの制作は、表面的なデザインばかりではなく、メディア を通して何を表現できるのかを考える力と、制作する技術が必要となります。これは単 にプロデュースだけすればよいわけではなく、またデザイン技術を持っているだけも、 良いものを生み出すことはできません。
抽象的なテーマではありますが、私たちがいつも見ているものはなにか、原因は、理由 はなにか。デジタルによって閉ざされた世界から、人、もの、環境、社会など私たちと 密接に関係する出来事を扱うことで、デジタルと人を結ぶ糸口になるのではないか。一 人一人の立場で風土を捉え、客観的な視野で整理研究し、調査することそれ自体も表現 に直接関係すると考えました。このような観点から、「風土」というテーマは始められ ました。 「風土」には土地柄という側面を超え、様々な切口があることを感じ取ることができま す。気候、人、歴史、感覚、コミュニケーション、またはこれらをもっと超越して表現 された学生の作品の思考、模索、そして感性を感じ取ってください。
デジタルメディアにおいて一つの作品を始まりから終わりまで制作するには、大きな技 術と細かい技術両方が必要です。これらの技術を身に付けるところからはじまり、10月 からテーマへのアプローチをおこない、調査と作成を並行に進めながら制作しました。 マルチメディアスタジオ科のマルチメディア実習という授業の一つの中で、学生が制作 し完成した作品をお見せいたします。

コンテスト入賞作品

併設/BBSシステム"PUBLIC-DOMAIN"