出展作家


クリスタ・ソムラー/ロラン・ミニョノー(IAMAS客員芸術家)
[霧の特急列車]
霧に包まれた空間を旅する列車の乗客になり、窓越しに写る風景に触れるだけで、自由に空間を移動する。ときには幻想的な街を、そしてときには宇宙をも……。



タマシュ・ヴァリツキー(IAMAS客員芸術家)
[フォーカス]
ピントの合っていない群集の写真。その中からあなたが選んだ人、そしてその周りの人々の関係が次第に明確になっていく。



デビッド・スモール/トム・ホワイト
[意識の流れ]
玉砂利を敷き詰めた小さな石組みの池に循環する水の流れ。その水流に乗ってひらひらと落ちてくる文字の列。そばの柔らかいパッドに手を触れると、水中に閃光が現れ、その光を文字に当てると、文字がまるで連想ゲームのように、次々に関連する意味の単語へと変化していく。



近森 基+久納鏡子
[かげ - かげ]
両側の壁に突き出した無数の小さなコーンの先に手を触れると、さまざまな形の「かげ」が踊りだし、ユーモラスに動き回る。その「かげ」は、ときにあなたの体を通り抜け、壁の間をジャンプして飛び回る。



スコット=ソーナ・スニッブ
[境界線]
方形の光る広場に二人以上で立つと、人物の間を隔てるように床面に現れてくる境界線。わざと線を飛び越えても、互いに追い駆けっこをしても、確実に追ってきて、他人との間に分け入って隔ててしまう奇妙な境界線の挙動。



イレーヌ・ブレチン
[風にそよぐ草]
息を吹きかけると、束ねた線香の火がゆれ動く。見えないインターフェイスの存在が、自然とのやさしい対話を触発する。



エミリー・ウェイル
[セルフポートレート]
スクリーンの前に立ち、かすかに揺れ動くと、自分の輪郭線や目鼻立ちまで立ち現れて、ポートレートやデッサンが描かれていく。あるいは手をかざすとその方向に全身が動きだし、空中浮遊の肖像画を生み出していく。ユニークでユーモアのあるソフトウェアの実験的試み。



ダニエル・ローズィン
[マジック・キャンバスの肖像画]
キャンバスを筆でなぜるだけで、自動生成する肖像画。ポーズを変えたり、遠くの風景を取り込んだり、カメラで取り込んだイメージから多重合成の傑作まで自由自在。



ロナルド・マクニール/ウィリアム・キース
[からだで探る迷路ゲーム]
床面に立つと、シーソーのように揺れる巨大迷路。バランスをとって、球をゴールへ導くために、見えない重力場の連想まで必要になるシミュレーション・ゲーム。



スタジオ・アッズーロ
[戦いの断片]
大地に掘られた池、砂場、落ち葉の山、そして竹やぶのなかから、観客の声や拍手に反応して現れるさまざまな人体の葛藤シーン。折り重なり、虚空を掴み、もんどりを打つ人間の闘争本能。15世紀の絵画をモチーフに、スタジオ・アッズーロがイタリアの古い城塞都市ルッカで制作した壮大な連作のビデオ・インスタレーションのなかから、一部4点の連作を紹介。