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「本阿弥光悦展覧会」とマルチメディア・プロジェクト



西暦2000年の秋季特別展覧会として、フィラデルフィア美術館では「本阿弥光悦展」の開催を企画しております。21世紀を迎える区切りとなります重要な時期に、本阿弥光悦を取り上げますのは、桃山から江戸へと移行する時代の大きなうねりの中を、したたかに生き抜いた光悦が、この時を飾るに最も相応しいアーティストであると確信しているからです。
 
広く知られておりますように、本阿弥光悦は書だけではなく、陶芸・漆芸・嵯峨本の刊行など多彩な才能を惜しみなく発揮し、同時代そして後世の日本美術に多大な影響を及ぼしました。光悦の出現により、日本の美術がひとつの転機を迎えたと考えられます。光悦はまた、美術史上のみならず、古典文学の復興・王朝文化の再生など文化史的にみても、時代の要となった人物です。京都で花開いた文化は、光悦を中心に育まれたと言っても過言ではありません。
 
本展覧会では、日本・アメリカ・ヨーロッパ各地の美術館が所蔵する作品(和歌巻、色紙、書状、嵯峨本、茶碗、漆工など)の約65点を展示する予定ですが、さらにマルチメディアの展示が加わることで、老若男女問わず、個人の興味やレベルに対応して、作品そのものについての理解を得ることができると考えております。
 
例えば、作品を“見る”という行為そのものにも重要な意味を持つ巻子は、今日では陳列ケースの中で一部分しか目にすることができず、アメリカ人だけではなく日本人にも本来の有様を知り、体験することは難しい状況下にあります。しかしながら、モニター上に英語の解説も自由に取り出すことができるヴァーチャルな和歌巻を設定すれば、巻子に施された和歌や下絵を自分のペースで巻きながら楽しむことができ、且つ、描かれている内容についても理解が及びます。茶碗の鑑賞についても同様のことが言えます。ヴァーチャルな空間上で、観者が自分の好きなどの方向からも作品を眺めることができ、展覧会場ではなかなか見づらい茶碗の「茶溜り」や「高台」などの箇所も、モニター上で確認することができます。
このように鑑賞法に幅を持たせることで、作品についてより多くの情報を得ることができ、日本の伝統美術に対して親しみが増すことと思われます。
 
「本阿弥光悦展」では、私たちアメリカ人が光悦を、そして日本特有の文化を知るために、実作品の展示同様、マルチメディアの活用にも力を入れることで、観覧者に興味と理解を導く糸口が見つかるものと信じています。
 
フィラデルフィア美術館東洋美術部長
本阿弥光悦マルチメディア展示プロジェクト代表

フェリス・フィッシャー



[展覧会概要]
 
名称 西暦2000年秋季特別企画展覧会「本阿弥光悦展」
The Arts of Hon'ami Koetsu - Japanese Renaissance Master
会期 2000年7月29日─10月29日
主催 文化庁・国際交流基金・フィラデルフィア美術館



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