スタジオ4では、メディア技術を用いた表現活動・社会活動を通して、現代文化の根底にある諸問題を理論的・実践的に研究しています。広く表現文化論の立場から、アートプロジェクトやイベント企画、作者と観客の関係、地域に根ざした文化活動、伝統文化とデジタル化、現代社会の病理と芸術活動、メディアアートの歴史的評価など、広く実践へとつながる研究および創作を行なっています。
[専門領域]身体・空間表現研究、メディア表現研究、芸術学、芸術批評、表現文化論
[所属学生の研究・制作例] ・大垣という地域の持つ「場所の記憶」を題材にした展覧会/作品の企画・制作と研究 ・シーソーの持つ身体性に注目した、体験型・非デジタル・キネティック・メディアアート作品の制作とそれを用いた身体動作と視覚変化の追求 ・「僧都・添水(ししおどし)」をモチーフに、時間を基にした「間」の美学、庭園(空間)と音響/静寂(時間)の研究とサウンド・インスタレーション作品制作 ・植物の細密画「ボタニカルアート」と機械の細密画「テクニカルイラストレーション」に対する共通の眼差しとは何か。CGグラフィックとドローイングの境界。などの問題圏の追求と作品制作 ・ライティングアートの研究。ライティングと映像による作品制作 ・展覧会企画、アートイベント等の研究および作品制作。 ・観客の眼差しによって発生する劇場の提案とその可能性を考察する観客論
[担当]安藤泰彦、小林昌廣
身体をもっとも根源的でありもっとも冗舌なメディアとして捉え、そのありようについて理論的かつ実践的に考察していきます。身体の表現可能性について、身体と空間との関係について、身体観の歴史的変遷についてなど、身体にまつわるあらゆる事象を、伝統と現代、地域と文化、アートとデザイン、医療と福祉などを切り口にして解析していきます。その研究成果を社会へと還元させるような道筋についても模索します。
専門科目
『身体と表現』 担当:小林昌廣 「身体と表現」では、まず身体論の基本的な知見について紹介したあとに、とくに古典芸能(能、歌舞伎、文楽、日本舞踊、落語)を中心にした身体表現について、映像でそれらの舞台を見ながら考えていきます。古典的な身体がなぜ現代においてもなお評価されるのか、その秘密について身体論的思考の垂線を下ろしてみたいと思います。
『表象文化特論』(基礎理論科目) 担当:小林昌廣 『身体表現特論』(アカデミーパースペクティブ科目) 担当:小林昌廣
『表現と空間』 担当:安藤泰彦 「空間」とは、そこに生きるものにとっての空間である。空間をイメージすることは、そこに生きるものをイメージすることである。そこでは何者かが呼吸し、動き回り、眺め、見回している。授業では、映画のシーンやインスタレーション、展覧会などの幾つかの表現をサンプルとしてとりあげ、観客=視線=行為によって生み出される空間の現れ方、扱われ方を考える。幾つかの参考映像や資料をもとにした、講義およびディスカッションで授業を進める。
『モチーフワーク2』(導入科目) 担当:安藤泰彦
また1年次は特別研究1、2、2年時は特別研究3、4という科目で1年通してゼミが行われます。
スタジオ4のゼミでは、主としてメディアアートや身体論に関する文献を読みつつ、学生たちの作品制作と論文作成の参考になるような知を共有するようにしています。 「歩く」といったシンプルな動作にともなう知覚やアフォーダンスの問題から、シンクロナイズドスイミングをスポーツのジャンルを超えてメディアアートの特殊例として考えるというテーマにいたるまで、「作品」と「思考」の間隙に存在する身体のありかたをさまざまな領域から理解することをめざしています。
ゼミでとりあげた文献のいくつかは以下の通りです;
・「スポーツ美の構造」中井正一、『中井正一全集第一巻』、美術出版社、1981 ・「歩きながら考える」長崎浩、『動作の意味論』、雲母書房、2004 ・「いまなお身体を」ロランバルト、『ロラン・バルト著作集10 新たな生のほうへ 1978-1980』、石川美子訳、みすず書房、2003 ・「形容詞の迷宮」ニキリンコ、鷲田清一ほか編『身体をめぐるレッスン3』、岩波書店、2007 ・「メディアとコミュニケーションについてのレッスン」石田英敬、『記号の知、メディアの知 -日常生活批判のためのレッスン』、東京大学出版界、2003 ・「『悪文』とはなにか」木下長宏、『高校生のための文章読本?』 ・佐々木健一『美学辞典』、1995 ・佐々木健一『タイトルの魔力』、中央公論新社、2001 ・「メディオロジーのために」レジス・ドプレ、『レジス・ドプレ著作集1 メディオロジー宣言』嶋崎正樹訳、NTT出版 ・中井久夫『治療文化論』、岩波現代文庫、2001