- プログラムノート -

Sonicflowを極楽メディアアートと呼ぼう。

ビデオ画像のリアルタイム認識や

インタラクティブ性をもったオーディオ/ビジュアル表現など、

メディアアートの典型的な要素をSonicflowは持っている。

それをステレオタイプだと批判することもできようが、

重要なのは、

これがビデオカメラを内蔵した安価なノートパソコンにバンドルされていることだ。

複雑なセッティングもなければ面倒なプログラミングもない。

それこそ、インターネットしたい!と叫んでパソコンを購入したフツーの人が、

何も考えずにインタラクティブな表現に触れてしまう。

しかも何万人もの人が、である。

ややもすれば閉鎖的で特殊な世界と見られがちな、

そして極めて少数の人しか知らない世界を、

Sonicflowは大衆の面前に露呈していく。

これはメディアアートの新しい段階への第一歩として

記憶されるべき出来事に違いない。

なんちゃって(笑)。

 

    

SurMEDIA

August 1-2,1999

IAMAS Multimedia Studio Hall

Sonicflowは、SONYのノートパソコンVAIO PCG-C1用のアプリケーションで、内蔵ビデオカメラがとらえる動きに応じて画像と音楽が変化するインタラクティブなツールです。C1はIAMASの実時間表現ゼミの有志メンバーによって作成された「Tickle」(99年春)と「Treasure」(99年夏)をバンドルして出荷されています。SonicflowはC1だけで楽しむことができますが、今回のSurMEDIAでは、プロジェクタによる画像投影と外部スピーカによる音楽再生を付加し、新たなコンテンツを加えて展示を行っています。

展示作品

Tickle
錯視的な映像表現と日常音の交差
Sound Design: 赤松 正行
Visual Design: 南方 祐紀

Cathedral
古びた大聖堂を舞台にしたRPG風展開
Sound Design: 橋本 武岐
Visual Design: 村上 泰介

DDV-J
VJを組み込むクラブサウンド
Sound Design: 岩佐 秋千
Visual Design: 鈴木 貴久

Submarine
危機的状況を暗示する音響群
Sound Design: 中居 伊織
Visual Design: 村上 泰介

Drrooome
ビデオフィードバックによる抽象空間
Sound Design: 赤松 正行
Visual Design: 赤松 正行

企画制作: 村上 泰介
フライヤー作成: 大原 真知子
記録作成: 新堀 孝明、南 隆雄
協力: ソニー株式会社