第3話 不確定性原理

不確定性原理とは何ぞや?そう、ハイゼンベルグのそれである。

 

位置と運動量

Δx・Δph

時間とエネルギー

Δt・ΔEh

 

 

 

プランク定数 hより小さい領域では、物事の振る舞いを、決定論的に規定することはできないという。それである。おかげで、私たちは明るい未来に希望を持てる。

 しかし何故に、こんな大風呂敷がレンダリング理論に必要なのだろうか?

それは、プランク定数 hピクセル領域に読み換えた瞬間、モーゼの如く、混沌の海は開け、新たな地平が現れる。ポイントサンプリングからの決別、古典レンダリング理論からの決別の序章である。

 

問題

 

D空間上で定義された、あるオブジェクトがスクリーン座標変換、ラスタライズされた結果、あるピクセル値がRGB(128,0,0)で表示された。背景色RGB(0,0,0)だとすると、元のオブジェクト形状および色情報RGBBAは次のうちどれか?

@       ピクセル全体を覆うRGBA(128,0,0,255)のオブジェクト

A       ピクセル全体を覆うRGBA(255,0,0,128)のオブジェクト

B       ピクセルの右半分を覆うRGBA(255,0,0,255)のオブジェクト

C       ピクセルの斜め半分左下を覆うRGBA(255,0,0,255)のオブジェクト

D       ピクセル全体を覆う上から下へRGBA(255,0,0,255)からRGBA(0,0,0255)に線形変化するグラデーション・テクスチャを持つオブジェクト

E その他

 解答

  正解は、@ABCDE

 結果としてのピクセル値の情報から、原因となるオブジェクトの形状、RGBA情報を特定できない。のは、至極当然である。レンダリング理論における不確定性原理は、以下のように定義できる。

 

占有率αとRGBA

Δα・ΔRGB・ΔA=ピクセル値

 

 

一見、不毛の議論に思える。が、この文章を少しだけ変更してみると・・・

結果としてのピクセル値の情報から、原因となるオブジェクトの形状、RGBA情報を特定する必要はない

要するに、『結果よければ、全てよし』という格言に倣え。ということである。

 

マイクロポリゴンが、全てのオブジェクトをピクセル領域の半分以下の大きさの四辺形に還元するのに対し、マイクロポイントでは、全てのオブジェクトは、ピクセル領域と同じ大きさに正規化(α=1)され定義される。結果、不確定性原理を表す式は、以下のように簡略化される。

 

RGBA

ΔRGB・ΔA=ピクセル値

 

 

マイクロポイントは、常にピクセル領域を完全に覆うプリミティブ(マイクロポリゴンのように形状を持たないが、ポイントベースと異なりピクセル領域と同じ大きさを持つ)として定義される。その結果、ポイントサンプリングで発生する様々なサンプリングエラー(天空の星のチラツキ、テクスチャのモアレ・・・・)が原理的に発生しないエリアサンプリング的特長を備えている。