このパフォーマンスは、芝生のグラウンドの上で行われた。使用された音の多くは室内で録音されたため、パフォーマンスの場所には重要な意味がある。音のミキシングはリアルタイムで行われたが、電子音とコンピュータヴォイスだけがマッキントッシュのラップトップコンピュータとエフェクトペダルを使ってリアルタイムで作られたものだ。


「accelerated surfaces 加速された表面」で音を生成し構成するに当たって、私は「表面」という概念に注目した。なぜなら、消費社会はイメージの社会であり、現実の事物から人の感情まで、全てのものは単純で目に見える種々の表面に変換されるためだ。ここにあげるのは、私が使った音の一覧である。電子音、ホワイトノイズ、伝統的な日本音楽、チャイニーズポップ、ドラムンベース、ヒップホップ、コンピュータ処理された音声で読まれた文章、自然の中やレストラン、スポーツトレーニング、スーパーマーケットなどの環境音。
これら全ての音の操作と組み合わせが行われる間、2人の人(川畑さんと斎藤さん)が観客にハンドマッサージを施す。これは2つの体の表面の間をつなぐ関りを表している。Virginie Laveyとの共作によるテクストは、日常生活の中で私たちを取り巻くある種の表面を、祈祷のように数え上げたものだ。実際には、どんな点であれ私たちの生活を平板にしうる全ての表面、例えば、テレビ番組、映画やドラマの音楽、アイデンティティカード、ショッピングカード、スポンサー活動などである。








フィリップ・シャトラン
philippe CHATELAIN

ラボ科1年


ミックスドメディアアーチスト。