現在、日常的にキーボードやマウスでコンピュータ世界を操作している行為は、外部
入力デバイスを利用したもので、あらかじめ決められたコマンドにより入力する行為
である。これは我々がコンピュータルールに制約されているともいえ、操作方法を習
得した人のみが可能な行為である。そこで、これら外部入力デバイスをなくし、直接
ディスプレイに触れて動かすことで画面操作を行う。この作品はもともとセンサーワ
ークショップでの習作から発展したものだが、ディスプレイを直接動かし画面を操作
することには予想以上の快感が伴う。私達がコンピュータの中の情報を操作するには
なんらかの物理的な“モノ”が必要になるが、このシステムでは両者の距離が近く感
じられるのだろう。より直感的にコンピュータを操作できる新しいインターフェース
システムとしてこれを提案する。
コンテンツに関しては、物理現象の再構築をすることをテーマに制作した。ディスプレイを傾けると表示空間が傾く。このシステムを分かりやすく提示するため『MAZE』
『CUBE』『SAND』の3種類を用意した。コンテンツは自由に変えることが可能で、
これからも発展の余地がある。障害者を対象としたデバイスやナビゲートシステムと
して利用することも考えられる。
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