私たちは解読し言語化しようとする
「真実を知りたいから?」「何か探すべきものがあるから?」
流れゆく時と、世界の中で我々は何を見つけようとしているのか?
刻々と過ぎゆく時間。データとなってしまう、もはやとりかえしのつかない過去。
加速されゆく記録術は日々の出来事を言語化し記録し、本当に残るべき記憶とは掛け離れたものへと変えていく。
存在が情報によって処理されていく。
耳を澄ます。 熱狂する。操れば操るほど、ひたすら操られているように感じる。時に私たちの探す行為は。
見つけたいのは、捕まえたいのは…たぶん、なにか夢のようなもの。
掴もうとすると、形にしようとすると消え去ってしまう。思い出せなくなってしまう。そんなものを。
そんな体験の、記憶の、存在のありかた。を現在に見つけるために。
冷酷に刻まれていくリアルタイムのなかにあって、記録となってしまう過去を探り、今、ここで、耳を澄まし、目を凝らし、指先に神経を集中し、話し…
■ 100 LIGHT YEARS radio version [DECODE] 展同時出品
1895年。ルミエール兄弟が初の映画上映をおこないマルコーニが無線術を開発してから、105年。人類が発した電波は現在地球から105光年の地点にまで到達している。それはまた我々の電波としての記録圏が地球を中心とする105光年にまで拡大していることでもある。その空間をラジオノイズの奥から聞こえる音に耳を傾け、遥かな場所に思いを馳せたように感じるために …
地球を中心とする半径105光年の宇宙空間に今も存在するであろう電波をシミュレートしたものが音ファイルとしてコンピューターにインプットされており、右のチューニングノブを回すことによって各年代の音を聞くことができる。「光の世紀」20世紀の記憶に半径100光年という、我々の日常的距離感覚にとっては広大で想像不可能な、しかしたったの半径100光年に過ぎない場所を与え、その空間を想像する試み。
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