開催概要

岐阜にある、日本有数のクラシック音楽ホール「サラマンカホール」と、先端的技術と芸術創造の融合を掲げる情報科学芸術大学院大学=通称IAMASとが初めて連携し、国内外の電子音響音楽関係アーティストや研究者を一堂に集め、「未来の音楽・文化」を提案する音楽祭。「歴史・現在・子供たちへ」をキーワードに9月11日(金)~9月13日(日)の3日間にわたって、サラマンカホールをメイン会場に、8つのコンサートと6つの関連イベントを開催いたします。

今までに体感したことのない音楽体験ができる3日間。
多くの皆様のご来場をお待ちしています!

フェスティバル・ディレクター メッセージ

三輪眞弘

電子音響音楽は電子技術を用いた「音による表現」のすべてを表す言葉です。もしそうならば、海辺で録音した潮騒も、工夫をこらした放送劇も電子音響音楽と呼ぶのでしょうか?そうかもしれませんし、ちがうかもしれません。電子技術によって音響を自在に生成、加工、録音再生できるようになった今日、そこで問われているのはつまり人間にとっての「音楽とは何か?」なのです。
「歴史・現在・子供たちへ」というキーワードを掲げたこの音楽祭では、その問いに対する「応答」が様々な形の(音楽)作品として、さらに研究者たちの言葉として示されます。それは芸術・音楽が伝統的な技芸のみで支えられてきた過去から、不断の電力供給を前提とする未来社会へと続いていく「今」を驚きと感動と共に体験するまたとない機会になるでしょう。
長良川のほとりに位置する美しい響きを誇るサラマンカホールで過ごす週末の3日間、海外からのゲストも交えた様々なイベントを通して、私たちはネット上のサイバースペースではなく、音楽が生まれる「いま・ここ」の価値と意味を問い直します。たとえば、高度な技術によって作られた歴史的にももっとも古い楽器であるパイプオルガンが、最新のテクノロジーを用いた電子音響と共に私たちに何を語りかけるのか、ゆっくりと耳をそばだててみてください。

三輪眞弘