修了研究発表会 プロジェクト研究発表会

新しい時空間における表現研究プロジェクト


蓄音機や写真、映像の発明以来、人類は「装置を用いた表現」の可能性を様々な形で拡げ、今では「いま、ここに」存在しない出来事を(疑似)体験することが日常的なこととなり、特にそれらを統合するネット上の「新しい時空間」の出現はまさに私たちにとって「第二の現実」となりました。「新しい時空間における表現研究プロジェクト」ではそのような環境における芸術表現の新しい形をアーティストとして活動する教員と学生が共に模索していきます。
代表:三輪眞弘
出展作品
「首都圏清掃除染促進運動で使われたルンバの遠隔操縦システムのデモンストレーション」
作者:新しい時空間プロジェクト・チーム
原案:三輪眞弘
制作:(システム)大石桂誉、神谷典孝、堂園翔矢、中上淳二
   (パフォーマンス)伊藤遼 内田聖良 酒井亮 山田聡
   (造形)二宮諒
2012年8月「サントリーホール・ミュージサーカス」において、三輪教授と新しい時空間プロジェクト・チームによる作品「首都圏清掃整理促進運動」を出展。 iPadを載せたルンバ(iRobot)を大垣から遠隔操作し、「除染」するというパフォーマンス作品。
技術要素
本体:Roomba 500 Series (iRobot 社, Serial Command Interface による制御)
制御:MAX/MSP(シリアル通信, ゲームパッドの情報処理, OSC による遠隔コントロール)
遠隔カメラ:iPad 2/ FaceTime
ネットワーク:OpenVPN(OSC メッセージを大垣ー東京間でトンネリング)
造形:放射性物質モデル(レーザー加工機によるカット) 操縦用インターフェイス:SONY DUALSHOCK 3
「流星礼拝で使われたピリピリデバイスのデモンストレーション」
作者:三輪眞弘 PiriPiri-4 / 制作:長嶋洋一(静岡文化芸術大学)
制作:アディリジャン・ヌリマイマイティ、中上淳二、二宮諒
2012年8月「サントリーホール・ミュージサーカス」において、三輪教授の作品「流星礼拝」を出展。PiriPiri-4マシンを通じて、アルゴリズムによって生成された旋律から変換された電気信号が演奏者の筋肉を刺激し、8つの鈴を自動演奏する作品。
技術要素
装置:PiriPiri-4(低周波治療用パット、MIDI受信機を含む)
演奏装置:Max/MSP(PiriPiri-4を駆動させるためにアルゴリズムによる MIDIメッセージ生成及び音響処理)、オーディオインターフェイス
参考URL:http://nagasm.org/ASL/SIGMUS0205/index.html
「ウロボロスのトーチ」
作者:赤松正行 / 制作協力:北村穣、和田純平、白鳥啓、アマナイメージズ、明石瀬里奈、神谷典孝、堂園翔矢、中上淳二、二宮諒、宮城良、佐藤薫
「ウロボロスのトーチ」は8枚の連作絵画をiPhoneなどのモバイル・デバイスを通して鑑賞するAR(拡張現実、変容現実)型の作品であり、映像効果と音響効果を伴う。これらの絵画、映像、音響によって人為と無為の流れ、そして悠久の時間の中で循環する永遠性を表す。
技術要素
モバイル・デバイス:iOS UIKit(UI フレームワーク)、ARART Engine(画像認識)、OpenGL(画像描画)、CoreAudio(音響処理)、OpenSound Control(通信) コンピュータ:Max(音響処理)、OpenSound Control(通信)
参考サイト:http://akamatsu.org/aka/works/uroboros/
http://arart.info
「『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW Omnibus 2011-2012』」
作者:前田真二郎
「ある一日を撮影/前日に声を録音/明くる日に声を録音」。指示書に基づいて制作する5分の即興映画を集めたオムニバスムービー。指示書を作成した前田自身によるセレクション。第16回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞作品。
1Fセミナーホールで上映
技術要素
ビデオカメラやスマートフォン、動画機能を搭載するデジタル1眼レフカメラなどで撮影。原則HDフォーマット。一般的な映像編集ソフトで編集しムービーファイルを作成する。
「ワークショップ『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW』」
作者:前田真二郎、中上淳二、伊藤遼、酒井亮、山田聡、アディリジャン・ヌリマイマイティ
複数人のメンバーによって、指示書をもとにした即興映画「BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW」にそれぞれ取り組む。
各人が個人で制作した後、撮影素材を共有し、編集の規則を考案する。それぞれが考案した編集規則に従って、他の人の素材を編集する。
2Fソピアホール「新しい時空間」ブースで展示
技術要素
ビデオカメラやスマートフォン、動画機能を搭載するデジタル1眼レフカメラなどで撮影。原則HDフォーマット。一般的な映像編集ソフトで編集しムービーファイルを作成する。