第2回ビエンナーレ:世界メディア文化フォーラムに寄せて
マルチメディア時代の新しい文化の成熟をめざして
昨年4月に大垣市に開校した国際情報科学芸術アカデミーの発足を記念して、前年の95年7月には、同市のスイトピアセンターで、岐阜県と大垣市の共催による「世界メディア文化フォーラム」を開きました。世界の代表的なメディア・アーティストを招聘しての展覧会「インタラクション'95 」と、マルチメディアの人間生活への影響を語り合うシンポジウムで、その成果は内外の注目を集めました。今回の「インタラクション'97 」は、これに続く2回目の国際的なイベントで、将来ビエンナーレ方式で継続する計画も進んでいます。マルチメディアの登場で人間生活や国際関係が大きく変容しようとしているいま、これからの新しいメディア文化の成長と成熟をめざして、現代の最先端のインタラクティブ・アートをここにご紹介いたします。
インタラクティブ・アートの進化と拡張
イベントのハイライトであるインタラクティブ・アートとは、そのことばが意味するように、観客が従来のアートのように作品を受け身で鑑賞するのではなく、積極的に作品に働きかけ、対話することで始めて作品の意味が成立する新しいジャンルのアートです。それにはCD-ROMのようなパッケージ型の作品や、インターネットのようにネットワークを介して人々が地球規模で対話できる作品だけでなく、観客と作品とが音や映像や運動に反応するセンサーを仲立ちにして、五感に訴える対話ができる環境装置的な作品 (インスタレーション) まであります。なかでも今回の展覧会には、世界から十数人の作家による10点の大がかりなインスタレーション作品が展示されます。この分野の歴史はまだ浅く、世界でも作家の数はそう多くありませんが、新しいアートへの期待は世界的に高まってきています。ぜひご自分で会場に足を運んで、直接作品に働きかけ、その反応を確かめ、対話をしかけ、インタラクティブ・アートの可能性について、考えてみてください。
この展覧会の開催に際し、世界各地から参加された作家の方々、及びその実施のためにご協力下さった次の方々や諸機関に厚く御礼申し上げます。(順不同・敬称略)
事務局:IAMAS( 岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)
チーフ・キュレーター:坂根 厳夫
スタッフ:IAMAS 教員スタッフ、同事務局スタッフ、同学生有志
協力:金築浩史((有)オー・エヌ・ティ)
意匠制作:永原康史
施工:株式会社ヨシハラ工房
- 後援:
- 外務省、文部省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、自治省、国土庁、カナダ大使館、ドイツ連邦共和国総領事館、名古屋アメリカン・センター
- 協賛(資材提供):
- 日本シリコングラフィックス・クレイ株式会社、ソニー株式会社、 アップルコンピュータ株式会社、三洋電機株式会社、日商エレクトロニクス株式会社
- Staff:
- Gayle D.Pavola、金築浩史、山元史朗、井深正春、
鈴木宣也、馬野訓子、神谷明憲、坪井真由美、今尾充博、臼井しのぶ
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