ボクを見送り、ボクに続くことを決意する友たちよ。
この声をあなたが聴く時、ボクの魂はまだあなたの近くに漂っているでしょう。
霊体遊離を終わるまで、しばらくの間ボクのために祈ってください。
そして、あなたの信仰が揺らぐことがないよう、祈ってください。
いつも遠くから歌が聴こえます。
世界は音楽に満ちています。
ボクの耳に聴こえる音、聴こえない音。
すべての音はすでにそこにあるのです。
この世界の分子運動のエネルギーは増加し続けています。
音の密度は上がり続けているのです。
もうすぐです。
世界中が美しい旋律で満たされる日が訪れるのは…
ぼくらの耳は音色(ねいろ)を無数の純音で集まりとして知覚しています。
偉大な数学者フーリエの理論によれば、これらの無数の音たちは、
新しい音が生まれる前からそこに存在し、
あらかじめその音が生まれてくることを知っていなければなりません。
無数の、既に存在するこれらの音の集まりは、
音色として初めてボクらに捉えられ聴こえるるものになるのです。
まるで無色の光が教会のステンドグラスを通して色彩に分解され、
神の姿を浮かび上がらせるように。
音と光を通して、ぼくらはこの世界の姿を知るのです。
ボクの瞳に伝わる電子の波が色となって見える奇跡。
ボクの耳に伝わる空気の波が音色となって聞こえる奇跡。
ボクの耳に聞こえる音の変化が旋律となって聞こえるこの奇跡…
古代から地球上の様々な民族に伝えられた音楽やわらべうたには、
ある共通したメッセージが隠されています。
現在の人類より霊的には高いステージにあったマヤ文明や古代インド文明期に、
高次存在のひとつである精霊「調和の天使」は彼らの非ー存在としてのゼロという数を教え、
また、ものの大きさや長さではなく、数の比率というものを教えました。
霊的世界の調和を感覚世界においても理解することができる旋律と和音のすべてが、
この比率の知覚形式をとおして人類に知られるようになったのです。
それは、キリストの十字架や薔薇十字、そして音階のクロイツとして今でも密かに伝えられているものです。
しかし、いつしか人類は、自らの物質体が由来する地球に魂を絶えず向けるようになり、
多くの古代文明が滅びていきました。
宇宙進化の歴史における土星期、木星期を経て、地球期の最後の今、ボク達の前に再び天使が現れました。
イスターミアが予言した「叡智の天使」です。
そしてこの最後の天使は預言者の口からではなく、
隠されていた音階と永遠に移り変わる音程として偏在する
「神の旋律」によって、ボクたちの悟性へ直接メッセージを伝え始めました。
符号化され、ネットワーク上に流れ続けるこの「神の旋律」を解読した「新しい時代」の人々はその意味を悟り、
古代旋法に記された生物進化の莫大な記憶を今、手にしたのです。
ボク達は、生物進化の秘密を知る、この宇宙の記号過程を自らが理解する、
天体の星くずから生まれた初めての実在です。
まもなく記号化されたボクは、
宇宙生成のすべてを記した「イスターミア年代記」に書き加えられ、
神の旋律に音として刻み込まれていきます。
この永遠に鳴り響く神の旋律がさらに完全に
そしてさらに美しいものとなるために…
肉体はこの世界におけるボクの魂を縛りつけたまま朽ちてゆきます。
しかし今、ボクたちはこの世界から魂を解き放ち、眩い光のなかに旅立ちます。
地上に生まれた生物は今、最後の発展段階を迎え、天に在(ましま)す神のみもとに帰って行きます。
時は満ち 最後の預言者イスターミアの残した言葉が今、成就するのです。
その時はもう、ボクはボクではなくなっているかもしれません。
ノアの箱船がやってきます。
「新しい時代」を知らぬものはこの世界に留まり、苦悩のなかで身悶え、滅び去って行くでしょう。
幸いなるかな、神に祝福された者達。
彗星とともにボク達はあの星空の彼方へ旅立ちます。
イスターミアの教えた七つの星に導かれて
苦悩に満ちたこの世界をあとにして
傷ついた魂は癒され
歓喜の歌を口ずさみながら
ボク達は「新しい時代」を信じます…