本プロジェクトは、岐阜県本巣市根尾地区(旧根尾村)で、何百年にも亘って様々な生活文化を創造・伝承してきた地域住民と交流しながら、持続可能な共創社会について探求することを目的としています。
根尾は、泰澄証人の開いた能郷白山神社、慶長時代から口伝で受け継がれてきた能郷の能・狂言、樹齢1500年以上の淡墨桜など豊かな自然と文化遺産のある地域です。他の農山村と同様、生活と生産が一緒となった暮らしの中で多くの利器や文化を生み出してきました。一方、他の限界集落同様に、超高齢化や後継者不足、空き家や害獣などの問題が深刻化しています。本来、根尾地区の住民は、技術と文化を育み、生活する力と技術は現代の自治システムよりもはるかに強いものをもっており、イヴァンイリイチの「生きる思想」をそこにみることができます。
在るものを壊し新しいものを創り続け肥大化する社会からの転換していく中で、自然と共に循環する時間の中で地域が育んできた知恵・技術や経験を新しい技術や視点をもって捉え直し、これからの持続可能な地域社会や定常経済、暮らすこととは何かを考えていきます。
研究代表者 : 金山智子
研究分担者 : 小林孝浩、吉田茂樹、James Gibson