携帯メールを送る人/The person who send email with cell phone
H584/2008.07/3'00"
いわゆるタテイチと呼ばれる縦型構図に適したモチーフとして、誰もが「人物ポートレート」を思いつくでしょう。西洋絵画で描かれた肖像画のほとんどが縦構図であり、現在のパスポートや免許証などの証明写真もタチイチが標準フォーマットです。そのような着眼点が、この動画ポートレートを制作する動機となっています。
逃げ水/mirage
塚本美奈/2008.07/1'50"
逃げ水とは、地面が熱せられて舗装道路の表面が水でぬれたように見える現象で、近づくと遠方に逃げてしまうように見えるためにこう呼ばれます。ここに写る水は留まることなく流れていき、その川面に映る様子は決して触ることのできない、蜃気楼のようなものです。
上下/radical
松本和史/2008.07/1'40"
幻燈による現実感の宙ずり状態を表現しました。
水面/surface of the water
前川真吾/2008.07/3'10"
水面を触って遊んだ経験は誰にでもあるでしょう。水と空気とが作り出す境界線は不思議で、私にとってとても魅力的です。今回、縦型という形を利用し、水面を層のようにいくつも出し、水と空気の境目を曖昧にしようと考えました。水面は層になり、またノイズのように変容しました。
カンカク/Interval
松島俊介/2008.07/3'50"
縦型の空間がもつ特徴の一つに奥行きがあります。この作品は近景と遠景が縦の2分割で構成され、その間をフォーカスが何度も行き来することで、見えるものは少しずつ変化します。近い・遠いという距離感をテーマに、見えるものと距離との関係を探りました。
顔面/Face
安田到/2008.07/3'00"
この作品は鑑賞者を一定時間顔面と対峙させることで、目、鼻、口あるいはそれ以上の細部が個別の観察対象となることを意図して制作したものです。顔を画面全体に拡大し輪郭をなくすことで、本来顔がもっている全体的なまとまりを崩すことを試みました。
動の影 岩下徹というからだ
齋藤正和/2008/10分*ループ再生
"動の影”は運動をある時間における物体の移動(移動しない事も含め)と捉え、動く像をコンピュータ処理し動きの軌跡を視覚化する事で運動を新たな側面から見つめるシリーズです。
この作品では舞踏カンパニー山海塾の舞踏手と活動する一方、ソロ活動では〈交感(コミュニケーション)としての即興ダンス〉の可能性を追求する岩下徹氏に自身の動きの軌跡がリアルタイムに映し出された映像を見ながら即興で踊って頂き、その動きの軌跡を捉えています。
捉えられた動きの軌跡をハーフミラーを用いて元の動きと立体的に重ねることで、運動への新しいまなざしが立ち上がります。
展示形態の詳細:大型プラズマディスプレイとハーフミラーを使用した映像インスタレーション
機材:プラズマディスプレイ FMトランスミッター FMラジオ ハーフミラー プレーヤー
point
前川真吾/2008/1'00"
この作品は、文字の大きさの単位であるpointを感覚的に見るためのアニメーションです。文字の大きさを感覚的に見るという事のトリガーとして、等倍に表示した数字を点描画のように画面上に配置し、一枚の絵を描きました。表示されている数字は、pointの大きさと対応しています。また、動く点(人や車、猫など)を用いることで、pointという単位に絵画で使われるような遠近表現が生まれ、新たな見え方をするのではないかと考えています。→http://www.vimeo.com/user889670/videos
Around the table
松島俊介/2008/1'29"
Around the tableとは、「食卓」という場に焦点を当て、朝、昼、夜の食卓を記録するというものです。撮影には回転雲台を使用しており、編集は決められたルールに従うことになっています。ルールとして朝食・昼食・夕食という3つのカテゴリーに分け、新しい日付のものから古いものへという順番になるように編集しています。→http://vimeo.com/2989355
after sound
松本和史/2008/1'27"
この作品は、見ることや、聴くことを考えるための映像作品です。人はものを見たり聴いたりすることにより、色々なものごとを知覚し出来事を理解します。見ると云う知覚と、聴くと云う知覚、どちらも重要な諸感覚ではありますが、音を聴くことが優先された場合、どのような想像が行われるのかを試してみるために映像とともに録音された音を先にずらして編集しています。見たり聞いたりすることができるからこその創造力を示します。→http://www.vimeo.com/2413665
bacon attack
安田到/2008/4'11"
映像データを音声データに変換するコンピュータプログラムを用いて制作された音響/映像作品。本来、無関係である映像と音声をプログラム上で情報として等しく扱うことで、映像の展開と音の推移を完全に一致させています。それはコンピュータの計算による極めて機械的な結果ですが、データを編集し構成した作者が人間であることによって、鑑賞者にとっても感覚可能なものとなっています。→http://www.vimeo.com/2389928
歩く人影
前川知範/2008/1'00"
紙面上に歪んで描かれた絵が、円筒鏡上で正像に映るという、アナモルフォーズの仕組みを応用した立体スクリーンのアニメーション。シェイカーの形状に適合する歪み率を3Dモデルから割り出して、映像に施してある。正像を実体、歪像をその影として見ると、画面上を歩いてくる人影は、鏡に差し掛かったとき、シルエットを歪ませることで、画面上から鏡の中に実体を移動し、画面上の歪像はシルエットから伸びた影のように見える。
気配/atmosphere
H.584/2009.03/ループ再生
ここには一枚の布によって区切られた空間があります。わたしたちはその向こう側を直接目で見ることができません。それでも、わたしたちは布に映る光や影、奥から聞こえてくる物音をたよりにそこに存在しているかもしれない何かを感じとることができます。それはあいまいであるからこそつよく感じられるものです。この作品ではそのような不確かなものを表現することを試みています。
機材:HDプロジェクター PlayStation3 HDMIケーブル カーテン パワーレフランプ×4 MIDIPAK
音楽映画・第五番『大垣』
安野太郎井+H.584/2008.09
音楽映画は作曲家、安野太郎のプロジェクトで、声と映像の為の音楽。映像を撮影、編集することで作曲を行い、映像に映っている事柄を言葉にし、声に出すことによって演奏される。
本作はH.584が撮影を行い、岐阜おおがきビエンナーレ2008の「イアマス コンテンポラリー・ミュージック コンサート」において発表した。