STUDENTS' FORUM
PARCO WWW AWARD '96大賞受賞
『フレームでわくわく』 片岡信一
 Web上で作品を発表するときに面白いのは、他のメディアと違い作品のクオリティを 上げていけば上げていくほど、データの容量が多くなって転送時間が長くなり、結果的に見る人が少なくなっていく点である。 そしてより新しい技術によって作品を作り上げていくことも、受け手側のシステムとの 互換性の問題が発生し、これもまた見る人の数は限られる。 この二つの問題を解決することがこの作品の主題である。
そこで作品に対して制限を設けその枠のなかで可能なことを考えた。
1. データ容量を最小限に抑えるために、グラフィック、サウンド、ムービー、テ キストを使わずに、純粋にHTMLのみを使って作品を成立させること。
2. 作品の互換性を保つためにプラグインやヘルパーアプリケーションを使わずに NetscapeNavigator2.0以上で使われているHTMLのタグのみを使用して作品を作 ること。
HTMLのFRAMEタグと最小限のグラフィックにより構成された作品。9つの作品をデータを 共有することによって,全体で50KB弱に納めた。 HTMLで色定義されたデータをFRAMEタグによって再構成する。受け手は最初に与えられた 形から、フレームの枠を移動したりリンクされたデータを読み込んでさまざまな形に 変化さ せることができる。
第3回全日本マルチメディア作品展(DIGITAL EXPRESS III)
『Multi Matrix Memories』 Search Life Laboratory :齋藤宏治、馬野訓子、神谷明憲、坪井真由美、喜多曜介、平野治朗(講師)
インターネット資源の検索に私たちはサーチエンジンと呼ばれるものを使います。こ の作品は、サーチする者の属性を提示することによりネット上でのリンクされた人々 から情報を引き出すことを可能にさせた、インタラクティヴなサーチエンジンなのです。
この作品は1996年12月6日から18日の間、東京渋谷BEAMにおいておこなわれ た、第3回全日本学生マルチメディア作品展「DIGITAL EXPRESS Ⅲ」(主催:渋谷BE AM・DIGITAL EXPRESS事務局)に出品された。
Sony Digital Entertainment Program '96
『Fly High2』 IAMAS開発4課:齋藤宏治、小倉一平、折山良太、神谷明憲
 現在、Web上で楽しめるリアルタイムゲームを製作する場合の主な選択肢にはJavaと ShockWave for Director(以下ShockWave)があります。FlyHighシリーズはJavaを使って、 ShockWaveには出来ないことをやってみよう、というコンセプトで作成しています。今後 もFlyHighシリーズの製作を通して、Web上の(リアルタイムゲームの)表現および JavaAppletの可能性をいろいろと模索していけたらいいなあ、と思っています。
「日経アート ヴァーチャル・アート・コンテスト」グランプリ受賞
『T&S』 片岡信一、石橋広在
 あなたの目の前の彼女は目に見えても触ることができない。けれどもマウスを 操ることによって彼女に触れて意 思を伝えることができる。あなたは自分の 彼/彼女の理 想像を投影することができる。あなたは自分の意思が伝 わるの を楽しむかもしれない。しかしモニターの向こう には誰もいないことを考える と誤解の上に成り立っているコミュニケーションだということに気がつくだろう。