柵瀨茉莉子 時と共に変容していくモノやコトのはかなさに魅力を感じ、布や糸などの繊維素材と木を併せるなど「縫うこと」の実験と発表を続けている。 幼い頃、祖母が刺繍をする手元を目で追いかけることが好きだった。ひと針ひと針を重ねるうちに、徐々にものができていく。目に見える無数の縫い目は、その時確かに流れていた時間の痕跡のように思う。皆が共有している一瞬一瞬の繰り返しの中で、縫いによる今を記録していきたい。