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08年01月25日[IAMAS2008コラム]先生の目線:第三回

三回目を迎えたIAMAS2008コラム「先生の目線」、今回は大学院スタジオ3の入江経一教授からコメントをいただきました。入江先生は2005年の横浜展、2007年の東京展など学外の展覧会の展示会場デザインを担当されており、今回のIAMAS2008を含めた過去の卒業制作展では会場設営班のアドバイザーとして関わっていただきました。

[入江先生のコメント]
IAMASの年末は忙しい。卒業をま近にした2年生はゆっくり正月を満喫することもでき ない。ようやく卒業制作作品の完成にこぎつけると、論文を書きながら、卒業展にむ けて作品の最終的な改良や調整を続けている。

模型01模型02という忙しさの真っ只中で、IAMASの卒業展の準備が始まります。この展 覧会は学生が委員会を立ち上げて、展覧会の企画から実施まで、自分たちで作り上げ るものです。会場づくりから運営、作品集のデザインまで学生によって進められま す。もちろん、教員スタッフも脇からお手伝いをするのですが、主役は学生です、学 生生活で最後の有意義な共同作業でもあるので、展覧会オープンまでいろいろハード な作業をこなすことがとてもよい経験にもなっています。

卒展のテーマははじめに決まっているわけではありませんが、その年毎に作品の傾向 から全体のムードのが生まれます。メディア技術と社会は特に変化が早いので、2000 年の展覧会と現在のものでは、随分と作品の内容にも変化が見られます。今年の作品 では、最近の新しい動きとして大きく3つの傾向が見られました。一つはケイタイ端末 をインターフェイスに用いた作品、第2は何らかのツールとして使用されるような作 品、第3は文字や絵などのグラフィズムを取り扱った作品です。これらの作品群は現在 の社会の動きに対して学生が敏感に反応して生まれたものでしょう。展覧会では会場 の中に3つのゾーンを設けてこうした作品を配置しています。また会場の奥にはプロジ ェクションを用いた作品を集めています。

このように卒業展とは、その年ごとに変化しながら社会を映し出し未来への予感を感 じさせる、若い感性と知性が生み出すさまざまな作品に触れる機会です。ぜひご来場 してお楽しみください!

情報科学芸術大学院大学
スタジオ3教授
入江経一

入江先生、ありがとうございました。