n=1..6
作品《n=1..6》は節足動物にも似た多足ロボットである.全3台のうち,1台の6足ロボットは標準形であり,単純なプログラムにより自律的に動作する.残り2台は観客が5本以内の足を自由に接続できる.本数も接続する箇所も恣意的に選択可能である.
この20年余りのメディア・アートの特徴はインタラクションにあるが,観客が関与できるのは作者が制作したシステムの内側に限られた.換言すれば,これまでのインタラクティブ作品は,(アクチュエータを制御する)ソフトウエアに,何らかのインターフェイスを介して作用しているに過ぎない.《n=1..6》は観客によって変更可能なハードウエアであり,これまでのインタラクティブ・アートの枠を超えて相互作用を促すものである.