連作の地球の作り方シリーズの一つで現在いるところから仮想空間内を垂直方向に上昇する動きを4人の歩行行為によって行う作品。地球の作り方シリーズでは主に被体験者は仮想空間内を地球との関係性の中で没頭し、その行為全体を観察する第三者が作品自体の構造と体験者との関係から地球の知覚について解釈する。





写真提供/NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]









■ 「地球の作り方」シリーズ
1993年から現在に至るまで、CGやメディアを積極的に利用した「地球の作り方」シリーズを発表。身体と外界のインターフェイスとしての「表面」に着目し、イメージとしての、地球と自己の関係の再構築を試みている。(annual)

■ 「地球の作り方」1994
観賞者は狭い入り口から、地表のイメージに包まれた室内に入る。壁面は、光を放つ薄いELディスプレーの断片で覆われており、人工衛星から撮影された地球表面の画像が、ディスプレー上に写されている。前方には、直径1.7mのELディスプレーの輪があり、その内側にも地表の映像が投影されている。(annual)

■ 「地球の作り方−赤道」1995
歩いて地球を一周することのできるヴァーチャル作品。ウォーカー(歩行台)に乗った観賞者の歩行に連動して、前方の大形スクリーンに映し出された風景のアニメーション映像が前進していく。アニメーションは地球の赤道上のデータをもとに、地球1周分約12万kmを西から東へ向かうCG映像によって作られている。ウォーカー上を普通の速さで歩いて約22分で地球を一周することができる。(annual)



関口 敦仁
Atuhito SEKIGUCHI

教授

1958年 東京に生まれる
1982年 東京芸術大学絵画科修士課程を修了
80年より絵画をベースにしたインスタレーションを主に発表し、表象的表現を利用し ながら独特の認識論を表現として展開し、評価される。
90年より認識媒体としてのサーフェスに着目し、物体を超えた表現へと移行するにともない、CGやメディアを積極 的に利用した作品を発表。近年はイメージとしての地球と自己の関係を再構築しようと試みる「地球の作り方」シリーズを発表している。
1991〜3年パリ市美術家援助政策によりシテデザールにて作品制作。