RCIC
Research Center for Industrial Culture 情報科学芸術大学院大学 産業文化研究センター

清流の国ぎふ芸術祭「アート体験プログラム -アートラボぎふ-」 「つくる人、すむ人、みる人でつくる コミュニティ・アーカイブ」〈坂倉準三篇〉

2018年度

地域の建築を通して、コミュニティをアーカイブする

「つくる人、すむ人、みる人でつくるコミュニティ・アーカイブ」〈坂倉準三篇〉は、都市計画と建築を媒介にしたコミュニティのありようを探る試みである。

プロジェクトの目的

「つくる人、すむ人、みる人でつくるコミュニティ・アーカイブ」〈坂倉準三篇〉は、都市計画と建築を媒介にしたコミュニティのありようを探る試みである。設計者の思想、そこで日々を過ごす人、周辺に暮らす人々の視点を通じて、多角的に空間を記述し、その記憶を編集するプロジェクトである。具体的には、羽島市出身の建築家・坂倉準三による羽島市役所本庁舎(1959)、羽島市計画(1961)、羽島市勤労青少年ホーム(1963)、羽島市民会館(1968)を対象とし、参加者は岐阜県内に居住または勤務されている方とした。松隈洋によるレクチャー、各建築の見学および写真、図面、文献等の資料を手がかりにディスカッションを重ねながら、公共空間に込められた機能や思想を現在の視点から考え、発信することに重点を置いている。

連携のプロセス

連携のきっかけ

アート体験プログラムの企画案として、建築を最も身近なアートととらえ、公共空間の設計を表現として考えることを提案した。「鑑賞」に留まらない発見的な体験を提供する機会とした。

具体的な進め方

2018年
5月:羽島市役所訪問
  プロジェクト実施に向けての調査、準備
6月:松隈氏との企画内容に関する打ち合せ
8月:イベント当日に関する調整、打ち合せ
11月:イベントの実施 以後、冊子編集、展示に関する毎週のディスカッション

2019年
1月:冊子制作
2月:IAMAS2019 にて資料展示

IAMASの関わり方

メディア表現学の分析手法を実践的に研究し、研究情報の文化資源化を実験的に実施するプロジェクトとして、コミュニティ・アーカイブを中心に据えたプログラムを計画、実施した。

連携の成果

市民や学生、建築関係者らの参加により、学内外の人的ネットワークを形成し、一過性のイベントに留まらない研究活動を継続している。本プログラムに関して11月9日のイベント終了後、2018年11月15日付の岐阜新聞で取り上げられるなどの評価を得た。

参加教員のコメント

伊村 靖子

岐阜おおがきビエンナーレ2017に引き続き、都市計画・建築を主題とし、価値の発見・発信・共有に重点を置いた循環型のアーカイブの可能性を模索してきた。毎週のディスカッションを通じて、オープンな対話環境を設けられたことが鍵になった。

  • プロジェクト名

    つくる人、すむ人、みる人でつくる コミュニティ・アーカイブ

  • 連携場所

    羽島市役所
    羽島市勤労青少年ホーム
    羽島市民会館

  • 担当教員

    • 松井 茂
    • 伊村 靖子
  • 協力者/参加学生

    講師
    松隈洋(建築史家、京都工芸繊維大学教授)

    編集協力
    桂川大
    西村瑠海
    水野茂朋
    山田将生

    web
    深尾望

    参加学生
    五十川泰規
    野上萌
    深尾望
    長野櫻子

  • 連携先

    岐阜県
    羽島市
    文化庁国立近現代建築資料館

  • 連携期間

    2018.05 - 2019.02