RCIC
Research Center for Industrial Culture 情報科学芸術大学院大学 産業文化研究センター

三年目の美濃のいえ

2015年度

地域の人たちが集い、表現活動の場となっていく「美濃のいえ」

美濃のいえプロジェクトでは、参加する学生それぞれが、フィールドワークや滞在を通して、美濃のいえやうだつの町、町の人たちと対話し、自分のやりたい表現を考え、企画・実施していきます。それぞれが、活動内容やスケジュールを決め進めていきます。3年目は、地域の人たちが主体的に関心のある活動を企画・実行できるような地域主導へと転換しながら、うだつの町並みの地域活動拠点となる可能性を模索しました。

プロジェクトの目的

2013年より美濃のうだつの町並みの真中にある古民家を借り、美濃のいえとしてさまざまな表現活動を行なってきた。1年目は、古民家と伝統ある町並みといった場所を意識して作品展示やイベント、ワークショップなど、さまざまな表現活動を実施した。2年目は、まちのヒトやモノにより注目し、地元の和紙や美濃のいえの庭に作った石窯を用いて、地域の人たちが参加できる活動へ展開した。3年目の今年は、野菜やハーブの栽培や食をテーマにしたイベントや活動、活版印刷の模索と、地域の人たちがこれまで以上に関わり、やりたい活動を企画・実行できるような地域主導へと転換しながら、うだつの町並みの地域活動拠点となる可能性を模索した。

連携のプロセス

連携のきっかけ

町の真中に位置する美濃のいえは、展示やイベントを通して、町の和紙工場経営者、手漉き和紙職人、商店主、アーティスト、大工、飲食店、自治体職員、学校教員など、さまざまな地元の人たちとつながり始めた。その中から、地元の人に持ち込まれた古い活版印刷機は、美濃のいえでの新しい表現活動の大きな柱となった。

具体的な進め方

4月〜12月:石窯開放/松の倒木/ガーデンづくりと収穫/手漉き和紙づくり見学
5月〜12月:活版印刷整理と設置、棚作り、講習会、製作
8月:桂文治師匠「真夏の夜の怖いお噺」開催
10月〜11月:FACES project 展示

IAMASの関わり方

自分たちの活動の企画や運営と、地域の人たちが美濃のいえを使う活動の手伝い。

連携の成果

これまでの活動を通して構築された関係をもとに、地域の人たちが美濃のいえでやりたいことが生まれ、それを軸に美濃のいえが地域の活動拠点になりつつある。今年は地域の人たちと企画会議をもち、美濃内外のクリエーターの参加も活発となり、観光業が中心のうだつの町並みの中で、新しい地域コミュニティのクリエイティブな居場所となるような動きになっている。

参加教員のコメント

金山 智子

地域内外の人たちが緩くつながり、美濃のいえが地域の人たちの表現活動の場となっていく可能性を実感し、今後の展開が楽しみである。

  • プロジェクト名

    3年目の美濃のいえ

  • 連携場所

    美濃のいえ
    うだつの上がる町並み

  • 担当教員

    • 金山 智子
  • 協力者/参加学生

    石川琢也
    杉山雄哉
    後藤良太
    ジョ・ジェヨン
    富塚裕美

  • 連携先

    丸重製紙
    美濃市役所
    美濃観光協会
    うだつの町並みの商店と住民の方々
    芸術村工房
    蕨の手漉き和紙職人さんたち
    F.A.C.E.project

  • 連携期間

    2013-2015