イアマスでは、さまざまなプロジェクト研究が行われている。そのうちの一つである「運動体設計プロジェクト」は、大垣市スイトピアセンターで開催された展覧会スイトピア×イアマス連携展示『うごキズム ~うごく・うごかす・うごきをみる~』において、新作を展示した。
今回発表された新作の3作品は、それぞれ〈うごく〉〈うごかす〉〈うごきをみる〉というテーマを掲げ、それぞれ異なる形で鑑賞者に体験を促すものであった。
《うごキスト》はカメラとディスプレイを持つタブレットが24台集まって大きな面となるインタラクティブ作品である。その前に立った鑑賞者はリアルタイムに変容していく自身の様々な姿を鑑賞し、そこからまた自身の身体を動かして映像との関わりを持つ。それぞれのタブレットは独立して動きながらも、全体としてはまとまりが生まれるのが現代の様相を表しているようであった。
《スマホスタジオ》は自分のスマートフォンを作品の台車に乗せて撮影した動画映像を持ち帰ることができる。スマートフォン用に用意された小さく長い舞台は、様々な工夫がなされており、自分の目で見ている視界の世界と、スマートフォンが見た世界の違いについて問いかけるものであった。
《かんしょうこう》は展示室のガラスケースを活かし、デジタルデバイスを使用しないシンプルで現象的な作品である。投射された光がガラス面に貼った縞模様の影となってケース内の物体に当たり、縞と影から等高線が浮かび上がる。私たちが普段何気なく認識している物の形状への考察を促した。
本展覧会は全て写真撮影・動画撮影を可能とし、見て、体験して、動きについて考える場となった。会場では多くの子どもたちが積極的に作品に関わり自由に楽しんでいた。