RCIC
Research Center for Industrial Culture 情報科学芸術大学院大学 産業文化研究センター

IAMAS ARTIST FILE #05 前林明次「場所をつくる旅」展

2017年度

時代的にも空間的にも隔絶された
「現場」と「いま、ここ」をめぐる
「旅」の軌跡

プロジェクトの目的

「IAMAS ARTIST FILE」は、IAMASと岐阜県美術館の連携企画協力事業であり、今回で5回目となる。IAMAS ARTIST FILE #5では、音とコンピューターを駆使し、空間と身体をテーマにサウンド・インスタレーションを構築してきたアーティスト、前林明次の世界を紹介する。本展において、前林は、岐阜県美術館所蔵の山本芳翠作《琉球漁夫釣之図》(1887−88年頃)を起点に、時代的にも空間的にも隔絶された「現場」と「いま、ここ」をめぐる「旅」の軌跡から作品を構成した。それは「場所」の表象や再現にとどまらず、テクノロジーと知覚の関係性を問い直し、美術館という場が無数の「線」が交差する流動的な場であることを再認識させるものであった。

連携のプロセス

連携のきっかけ

過去4回の「IAMASARTIST FILE」の開催を通じて、IAMASが発信し続けてきた現代的で多様な芸術表現を紹介する意義が岐阜県美術館とIAMASの双方において醸成され、相互協力体制がより強化されたことによる。

具体的な進め方

2016年
10月:岐阜県美術館学芸員による作品調査と連携に関する打合せ
12月:岐阜県美術館の所蔵作品に関する調査

2017年
1月:岐阜県美術館での作品調査と取材
3月:現地(沖縄) での調査と取材
4月:展示・イベントスケジュールの詳細決定
  広報準備開始
6月:沖縄での調査と取材と制作
7月:展示設営、展示開始
  トークイベントの実施
8月:トークイベントの実施、展示搬出

IAMASの関わり方

同時開催されたトークイベントにおいては今回の作品展示を起点に、IAMAS教員、学外研究者を招いて多様かつ批評的視点から議論を展開し発信した。

連携の成果

IAMASと岐阜県美術館の今後の連携がより深化する契機となった。本展のレビューは東海圏の新聞コラムや批評誌等に掲載された。会期中の観覧者総数は3996人であった。

  • 連携場所

    岐阜県美術館(展示室3、講堂) その他会場

  • 担当教員

    • 前林 明次
  • 協力者/参加学生

    協力教員
    安藤泰彦

    トーク参加教員
    小林昌廣 松井茂 伊村靖子

    トーク参加
    菅啓次郎(明治大学教授)

    学外教員
    川瀬慈(国立民族学博物館准教授)
    柳沢英輔(同志社大学助教)

    岐阜県美術館
    廣江泰孝 西山恒彦 松岡未紗

    設計·設営協力
    佐藤忠彦(トリガーデバイス)
    八嶋有司

    制作協力
    上峯敬(トリガーデバイス)
    冨田太基 山下健(TAB)

    デザイン
    廣瀬周士(Sketch On)
    大山千尋(中村直永デザイン事務所)

  • 連携先

    岐阜県美術館

  • 連携期間

    2016.10 - 2017.08