「ますます多様化する我々の社会において、多元的(人種的・宗教的に)で、多様性に富み、活力ある文化的独自性を保ちつつ共生しようとする人々や集団の間に、協調関係を確保することが必要である。」(文化の多様性に関するユネスコ世界宣言、2001年11月2日)
しかし、技術はどのようにして文化的アイデンティティを形にするのでしょうか。また、技術は人々の共生の在り方をどのように変化させてきたでしょうか。デジタル技術は異なる文化を持つ人々の対話を促進し、文化の多様性や寛容さにあふれた、より公正で平和な世界をもたらすことができるでしょうか。また、どのようにアーティストの世界観や感性は、文化の多様性を反映し、いわばデジタルな多元主義(プルーラリズム)に形を与えることができるのでしょうか。
「UNESCO Digital Art Award 2003 」は、情報社会を革新的で芸術的に洞察するデジタル・アートを促進することを目的としています。これは10年前に東山魁夷画伯によって創設された「ユネスコ芸術奨励賞」の特別部門として行われます。「ユネスコ芸術奨励賞」は東山画伯の理念に沿った、優れた業績をあげた若手アーティストを表彰するものです。
「UNESCO Digital Art Award 2003 」では、若いアーティストの方々に文化の多様性、デジタル多元主義、社会的相互作用といったテーマについて考え、これらのテーマを反映するメディア・アート作品のプロジェクトを提出していただきたいと考えています。最優秀賞を獲得したプロジェクトは、IAMAS (イアマス)におけるアーティスト・イン・レジデンス(客員芸術家)として、6ヵ月の滞在期間において実現していただくことになります。
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