15世紀初めの遠近法という視覚のテクノロジー=物の見方の登場以来、私たちは次々と新たな視覚テクノロジーを手にしてきた。
パノラマ、ジオラマ、写真、映画、TV … etc。
そして20世紀後半、コンピューターの性能が画像を扱えるところまで進化したことにより、コンピューターグラフィックスが登場する。当初コンピューターに幾何学模様を描かせるに過ぎなかったCGは、徐々に写真誕生以前の絵画がそうだったように写実的な、フォトリアリスティックな技法を追求し始める。そしてその傾向はメジャーなところでは「TITANIC」によって1つの到達点に達する。


そして現在。絵画が写真の誕生によってレアリスムから遠近法から離れていったように、CGもまたフォトリアリズムの追求に一応の成果を得ることによってノンフォトレアリスティックな技法を模索しだした。例えばマンガ的ムービングイメージを追求した「マトリックス」手書き風レンダリングの「ターザン」などが始めつつある路線だ。

そしてVRなども視覚のみならず、マルチセンソリーな私たちの認識のシステムを解きあかしつつ新たな感覚の実験を進めるだろう。これら新しいイメージの冒険はまだまだ始まったばかりだ。コンピューターは今までのカメラにおけるレンズがそうだったような、ある特定の見せかたを本来機能としてもっていないテクノロジーだ。それは今後私たちがどのようなものを見ようと欲するか次第で次々と私たちに新たなイメージを見せていくだろう。

信号機を見るとき私たちはそこに社会のルール、共通了解を暗黙のうちに含めて見ている。新たなヴィジュアルテクノロジーは今まで暗黙のうちにやりすごしてきた、私たち自身がつくり、そしてセットしてきた物の見方の成り立ち自体を問い始めているのかもしれない …




Miragescope

cube

Abs.

MANHOLE

bit-hike