選考委員による審査会の結果、以下の作品が入選いたしました。
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水本賢興 『Potential of a computer as an instrument』 ノートパソコンを分解し、直接基板から抽出した電流を用いて 演奏を試みます。演奏者は事前にICや電子部品から電流の音 色を探して行き、これ元にスコアを制作した上で、電線の抜き差しによる演奏を行ないます。演奏の中盤からMax/MSPが起動し、電流の音をコンピュータに一度取り込む事でコンピュータの挙動による音響処理と演奏者のセッションを行ないます。 [みずもと・けんこう] |
選考委員より | 水本さんの作品は、この道場のテーマにも謳われている「装置を使った表現」という問題に直截に関わろうとしているよ うに思えました。それはハッキングという、メディアアートでもおなじみになっている手法を用いて、それが装置の仕組 み自体が引き起こす出来事性や、装置の物質性を強く感じさせる点で、今回の応募者にみられたいくつかの傾向のひとつ を際立たせるものだったと思います。(畠中実) |
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松本祐一 『twitter音楽』 twitter音楽とは、twitterに投稿されたつぶやきの文章をリアルタイムにメロディに変換し構成する音楽です。twitter音楽 は、私が行っているアンケート・アートという作品の作曲技法を用いて、文章を品詞分解し、それぞれの品詞に音を割り 振り、分解した単語の長さでリズムを決め、メロディを作るつぶやきの文章をメロディに変換します。 [まつもと・ゆういち] |
選考委員より | 松本さんとはたぶん一度も会ったことはないのだが、彼に賞をあげるのは何故かこれが二度目になる。Twitterというイ マドキ過ぎるネタを使ったアリガチなアイデアかもしれないが、センスとサービス精神が図抜けており、プレゼンテーショ ンという意味では他の追随を許さぬものがあった。いわいとしおとかさとうまさひこみたくなってください。(佐々木敦) |
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ワラビモチ愛好会+山路製めん 『ワラウドン』 うどんやワラビモチを作る過程の音や動きを使って演奏します。最後に味を楽しんで頂けたらと思います。 ワラビモチ愛好会会長のPHIRIPと山路製めんの山路知恵子による調理音パフォーマンス。 [フィリップ] [やまじ・ちえこ] |
選考委員より | 「ワラビモチ」とメディアアート、そして音楽はどのような関係を結びうるのか、あるいは「手打ちうどん」ならどうなのか-しかし考えてみれば食は人と人とを繋ぐある種のメディアであり、お菓子もうどんも手作りにこそ極意がある。 美味な食は当然いい音も伴うだろう。無縁に思える三者の共存も、彼女らの創意次第ではおおいにありうるかもしれぬ。 (椹木野衣) |
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