RCIC
Research Center for Industrial Culture 情報科学芸術大学院大学 産業文化研究センター

「ジュニア宇宙博士認定講座」における学習環境デザインの実践的研究

2022年度

デジファブと教育とロケット、多様な視点から考えるデザインの展開と新たな可能性

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館が実施する子ども向け講座「ジュニア宇宙博士認定講座」の学習資源を活かした学習環境のデザイニングを、IAMASの施設「イノベーション工房」を用い、博物館や本学の卒業生と連携して展開。子どもたちの意欲を高められるような学習環境の提供を目指し、今年度のテーマ「ロケット」をモチーフに講座のトータルデザインを意識した教材の開発に取り組んだ。

開発した教材:
・ロゴマーク
・スライド
・ワークシート
・リフレクションシート
・合格証
・惑星・衛星シール
・修了証

講座の展開:
①スライドや博物館の展示物を見たり、実験をしたりしながら、学んだ知識や実験結果などをワークシートに記入して行く形で講座を展開。また、講座終了時のリフレクションシートへの記入を通して、自身の取り組みを評価し、頑張りを可視化する。


②ワークシート、及びリフレクションシートについては、講座スタッフが内容を確認しながら机間指導を行い、合格証に惑星・衛星シールを貼ってまわることで、他己評価へも繋げる。


③合格証に全6講座分のシールが貼られるとジュニア宇宙博士認定に認定され、認定式で修了証が授与される。書き溜めたワークシートやリフレクションシート、合格証はファイリングし、自身の取り組みの成果物として持ち帰る。

  • 連携先

    岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

  • 連携期間

    2022.04 - 2022.11

目的と成果

IAMASの製作物を見た岐阜かかみがはら航空宇宙博物館から、教材製作について相談があり、それに応える形で今回の連携を企画。講座のトータルデザインを通して、参加者の学習意欲を高められるような環境の提供を目指すと共に、IAMASのデザイン研究を実践することで、そのプロセス、及び効果について考察することを目的に運営した。
博物館と本学卒業生のデザイナー協力のもと、小学校高学年から中学生の子どもたちが学びや達成感を自覚的に得られるよう、全6回の講座を通し活用していく教材を製作した。受講し、教材を扱った子どもたちからは、デザイン性の高い教材に講座への期待感を高める発言や、各回の講座で得た気づきをシートに取りまとめることで、ステップアップを意識し積極的に学ぶ様子等が見受けられた。
デザインプロセスの面では、各回の内容に応じたレイアウト変更や、講師や博物館スタッフ等、デザイナー以外の第三者でも編集可能なフォーマットに関して、全6回の講座の中で展開を重ねたことで知見を得ることができた。

IAMASの役割

本連携における本学の役割としては、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館との打ち合わせの上、教材製作を担当した。修了証に関しては、博物館の意見をもとにデザイナーが作成した修了証のデザイン案を踏まえ、本学の施設「イノベーション工房」の設備であるレーザー加工機や真空成形機、UVプリンター等の活用を提案し、より立体的で、子どもたち自身が組み立て可能な仕掛けのある修了証を製作した。

  • 開催場所

    岐阜かかみがはら航空宇宙博物館, IAMASイノベーション工房

  • 担当教職員

    • 赤羽 亨
    • 伊澤 宥依
    • 佐々木 紘子
  • 運営

    デザイン:
    大山 千尋(IAMAS卒業生)

    制作:伊澤 宥依(RCIC)

    制作補助:
    浅尾 楽(M1)
    門田 健嗣(M1)

    運営:
    赤羽 亨(RCICセンター長 / IAMAS教授)
    中畑 竜憲(事務局)
    佐々木 紘子(RCIC)

  • スケジュール

    2022.04 打ち合わせ
    2022.05 – 08 教材開発, 講座実施
    2022.11 意見交換