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IAMAS Showcase「搬入のための搬入」

卒業生で産業文化研究センター[RCIC]研究員の山田聡さんによる展示『搬入のための搬入』ソフトピアジャパンセンタービル 1Fショーケースにて、9月29日まで開催しています。

作品概要
美術館やギャラリーでの展示において、作品以外にも目が行く所がある。それは「作品の周りのもの」である。絵画であれば額縁であり、彫刻なら展示台がそれに当たる。それらは本来、表現の外側の要素であるが確実に目に見えているものでもある。作品に合わない額縁や、展示台が使われていると「何か特別な意味があるのか?」と考えてしまい、体験の質が変わってしまう。
これは、「作品の周りのもの」によって作品の質が規定されていると言えるのではないだろうか。

映像を使う作品であれば、プロジェクターの吊り方や、ディスプレイから出るケーブルの処理の仕方などがそれに当たる。ケーブルやプロジェクターも「作品の一部」なのか、それとも「無いものとして見てほしい」のかによって処理の仕方が変わってくる。ケーブルの場合、モールで覆うか、壁に穴を開けて完全に見えなくするか、壁や床に合わせ這わせるか、そのままだらりと垂らすか…

「インスタレーション」の場合は、見せたい所と見せたくない所について、より自覚的に考えなければならない。しかし、どれだけ綿密に図面を引き準備をしても何かしら問題が発生する。事前にもらっていた図面には無い凹凸があったり、床が傾いていたり、用意したはずのものがほんの少し足りなかったり…
こうなってしまったら、身の回りにあるもので即断即決しなんとかするしかない。木っ端で高さを合わせたり、テープや紙の切れ端を挟んで水平を出したり、ビスが落ちていないか探したり…

こういった、搬入のときだけに表出する創造性がある。
そういったものが現れることを期待し、今から搬入しようと思う。