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情報科学芸術大学院大学
学長
鈴木 宣也

2021年度、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]は旧岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー設立から25周年、情報科学芸術大学院大学設立から20周年を迎え、新たに博士後期課程を開設し、大学院大学として研究へ突き進む環境がより一層充実しました。博士前期課程(修士)の2年に加え、博士後期課程も合わせ5年という修業年限へ拡充し、長期的な研究へ取り組むことができるようになりました。

情報技術による変革や、震災やコロナ禍などの危機も含め、この激動する時代において、社会から個人にいたるまで混乱と分断が起きています。生活様式や価値観が大きく揺らぎ、従来の思考では解決できないさまざまな問題に直面するなか、 学問の力によって、社会をどのように切り開くことができるかが問われています。

本学の理念にある科学と芸術の融合とは、単に科学と芸術という異なる分野を掛け合わせるという意味ではありません。テクノロジーが社会や心へ及ぼす影響を踏まえながら社会と対峙し、持続可能性を考慮した空論ではない実践により裏付けされた、真の価値を深く洞察する研究の実践であることを指してます。それはすなわちメディア表現の学術的研究であり、多様な領域を横断しながら、創造力を統合した形にするなかで制作の知を見出しながら、新たな文化の創出へ貢献すると同時に社会を先導していくことを目指しています。

それらの実践には、18人の異なる分野の教員が集い、学生・卒業生たち、あるいは地域と共に携えながら、失敗を恐れず研究のできる実験場としてチャレンジすることのできる環境こそIAMASであると考えます。人々をつなぎ合わせながら、研究成果や卒業生らの活躍を社会へ波及させ、混迷する時代へより一層貢献していくよう進み続けます。