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Volatile ucnv個展
ucnv/ solo exhibition “Volatile”

 IAMASメディア表現学研究プロジェクトでは、昨年の岐阜おおがきビエンナーレ以来、図書館での展示の試みを続けてきました。その理由のひとつに、書籍や映像等のメディアがもつ特性を考える場として、図書館が機能しうると考えたことが挙げられます。今回、展示を依頼したucnvは、グリッチによって作家活動を開始して以来、映像のメディウム/メディアとしての側面を行き来しながら、さまざまな作品を展開しています。過去作品から新作までを含めた個展を開催します。
(文・伊村靖子)

作品について

本展示では、以前の制作を再構成し、3点の新作として展開する。
図書館入口正面の展示室の2作品では、2018年の制作で用いた、正常なものと破損したものを並置するという手法を引き続き採用する。その手法によって、オプティカルメディアとデジタルメディアを重ねて考察する上では、必ずファイルフォーマットに触れなければならないということを、改めて明らかにするだろう。
書棚の間に設置された3ディスプレイでは、2016年の映像習作をインスタレーション化する。上記2作品が、カメラとコンピュータが合流する場としてのファイルフォーマットを前景化しているのとはまた別の意味で、スマートフォンというデバイスもまたカメラとコンピュータが合流する場であるということを示す。
昨年の展示で、ある人から「この作品はどうやって/どこに定着しているのか?」と問われた。そのときうまく答えられなかったその問いがどこかに引っかかったまま、ある。今回の展示タイトルを “Volatile”、すなわち「揮発性」としたことは、その定着、および定着に必要な支持体という対象をめぐる思索と無関係ではない。
(文:ucnv)