そこで生き続ける力に光をあてる
様々な変化に耐え、形を変えながら、何百年も存続している岐阜県本巣市根尾地区の山間部の集落でフィールドワークを繰り返しながら、社会生態系のレジリエンスとは何かをそれぞれが問い、自分なりに答えを見つけた。それは、森林との関わり方、伝統文化の続け方、エネルギーの生み出し方、ものづくりの楽しみ方、あるいは、新しい仕事の生み出し方であった。そして、それを自分の表現で可視化させた。
プロジェクト研究
Community Resilience Research
大量に生産・消費・廃棄され続けるモノが生痕化石となり、新たな地層を形成している。社会生態系の破壊の象徴とされる人新世時代を、私たちはどう生き、どう変えていくのかが求められている。プロジェクトでは、地域の問題を「社会生態系システムのレジリエンス」として捉え直し、これからの持続可能な地域社会への移行を望む私たちにとって何が大切なのかを探求し、そこで生きていくための技法・技芸(アート)について考える。
出展作品
フィールドワークを行なっている根尾にて、ソーラーパネルの存在感はここ数ヶ月で大きくなっている。ソーラーパネルの形はいつ見ても同じ四角い形をしている。そんなソーラーパネルの形を、パネルを取り巻く問題と一緒に考えることはできないだろうか。
2021年3月 金城学院大学国際情報学部国際情報学科グローバルスタディーズコース卒業。景観や風景に興味があり、なぜ人は風景をテーマにするのかをリサーチ中。景観や風景への興味とあそびやワークショップへの興味を組み合わせられないかを考えています。
CRRに参加し、根尾の皆さんとの繋がりができた。その縁から「みんなで根尾の盆踊りを習いに行こう」という機運が生まれ、現在までに何度か保存会の練習に混ぜていただいたり、一緒に日本のことを喋りしたり、その都度いろいろとお世話になっている。外国人の私が日本にこのような好意を受けることは思わなかった。みんなの好意を受けて、私も根尾の人の錯覚に陥る。知らず知らずのうちにみんなに溶け込んだ。
1996年生まれ、中国・大連出身
ドラマを見て、日本の文化に興味が湧いて、日本に留学しました
この世界は、人間だけではなく、人間以外の生物や人工物を含む全てが、互いに協力し影響することで創造されているのではないだろうか。
針金と布で制作した「鹿」を森の中に置き、森の生態を探った。約2ヶ月におよぶ森との「共同制作」により、変化した「鹿」をインスタレーション作品として展示する。この「鹿」と森の「共同制作」を観察することで、「種」「コミュニケーション」「共生」についての新たな考え方を模索する。
1997年中国生まれ、中国美術学院インターメディアアート学部卒業後、IAMAS入学。「マルチスピーシーズ人類学」「非人間とのコミュニケーション」をキーワードに、新たな世界の捉え方を探究するため、森の中でのフィールドワークを中心に研究・制作活動を行っている。
システムが高度に絡み合った中で細分化され様々なサービスを享受している現代社会を省みると共に、本プロジェクトに関連する書籍を紐解き、フィールドワークの経験を踏まえて、我々の生活や価値観を構成するシステムを考察する。
東京出身。グラフィックやWebのデザイナーを経てIAMASへ。社会システムと芸術の関係性を研究中。