カミーユ・アッターバック

カミーユ・アッターバック
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http://www.camilleutterback.com

カミーユ・アッターバックはインタラクティブな空間作品の分野では先端的なアーティスト、プログラマーの一人である。作品はニュー・ラングトン・アート・ギャラリー(サンフランシスコ)、ポストマスターズ・ギャラリー(ニューヨーク)、NTTインターコミュニケーション・センター(東京)、アルス・エレクトロニカ(オーストリア)、ソウル市美術館、ネーデルランズ・インスティテュート・フォー・メディア・アート、シーグラフ2000、マイクロウエーブ・インターナショナル・メディア・アート・フェスティバル(香港)などで展示されている。ニュー・メディア・インビジョン賞準優秀賞(1999)、ヨーロッパ・メディア・フェティバルのOLBメディア・アート賞(2000)、レス・マガジンの「アニュアル・レス・10―それぞれの活動分野で顕著な業績を挙げた人」のアート分野(2000)などを受賞している。
最近は、主に博物館や企業などのプレゼンテーションのためのインスタレーション作品の研究と開発を行うクリエイティブ・ナーブ・インクを設立し、ハーマン・ミラー、資生堂、アメリカ自然史博物館などのためにカスタムメイドのインスタレーションを制作している。ウィリアムズ大学の美術学部を卒業した後、ニューヨーク大学ティッシュ美術学部のインタラクティブ・テレコミュニケーションズ・プログラムの修士課程を修了した。制作と商業的な活動に加えて、ニューヨーク大学のインタラクティブ・テレコミュニケーションズ・プログラム(ITP)において助教授を務めている。


美の座標

この作品は、床の丸いスペースに映る映像に複数の観客がインタラクティブに参加できる運動記録装置(スパイログラフ)のようなビデオ・トラッキング・デバイスである。床に映る抽象的な線と図形から構成された映像は、円の周りに集まる人数によって変わる。 映像は人の位置と円からの距離に対して反応し、コンピュータによっていくつかのモードに切り替わる。たとえば、あるモードでは、変調する線が円の周りに集まっている参加者をつなぎ、別のモードでは、円の周りに集まっている参加者同士でゲームができるようになっている。「美の座標」は人が一ヶ所に集まるときの空間関係を視覚的に探索する作品である。


液状の時間

この作品は参加者の動きによってビデオ映像が壊されたり元に戻ったりするインタラクティブなインスタレーションである。インスタレーション・スペースの参加者の動きは、頭上に設置されたカメラによって撮影されている。参加者が前方のスクリーンに近づくと自分の真正面にある映像の時間がさかのぼる。作品から離れると、乱れた池がまた静かになるようにバラバラになっていた映像が元に戻る。「液状の時間」は、ふだん一つの時間、場所にしか存在できない身体を、複数の時間帯と場に存在させることができる。そして映し出される映像はあたかもビデオで表現された「キュビスム」のごとくである。
「液状の時間」シリーズは、映像によって都市を探索することを可能にする。各作品は人間やモノが一つのところから別のところに移動する映像から構成され、参加者は自分の動きによって、そのモノや場所を探索する。このシリーズ第一作目の「クロッシング=横断」は、ニューヨークにあるブルックリン橋の抽象的な映像を使用しているが、「インタラクション'01」のためにシリーズ第二作目として開発した今回のインスタレーションでは、東京で撮影した映像を用いている。



ケイシー・リースティファニー・ホルムズジム・キャンベル アーノン・ヤールウォルフガング・ミュンヒ+古川聖ジェイ・リー+ビル・キースアルス・エレクトロニカ・センター未来研究所児玉幸子+竹野美奈子ゴーラン・レビン岩田洋夫