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メディア表現特論D(設計×情報・メディア)

普段の制作や研究において、作品に関する議論は着目されますが、展覧会は作品とは切り離して考えられる傾向にあります。しかしながら、展覧会とは作品を鑑賞するよりも前の段階で人々が触れるメディアです。展覧会をメディアとして捉えると、作品のみならず展覧会の経験全体が設計の対象になります。この連続講義のねらいは、メディアとしての展覧会に関する設計論に関する理解を深めることです。
全体は大きく3つの部分から構成されます。第1は具体論で、作品の制作から展示に至るまでの一連の流れを詳細に確認し、複数のプロセスがあることを詳細な事例紹介から学びます。第2は抽象論で、作品に至るまでのプロトタイピング、プロトタイプとしての作品、そもそも展覧会を含むメディアがどのようなテクノロジーによって構成されているかなど、抽象化して考える際のヒントとなる考え方を学びます。具体と抽象を往還する2つの観点に2つのゲストレクチャーをくわえることにより、複数の視点から展望し、思索し、制作する態度を身に着けます。

講義計画・項目

10月3日(火)1・2限:テクノロジーをめぐる議論
10月10日(火)1・2限:制作事例:コンセンサスに基づく作品制作
10月17日(火)1・2限:プロトタイプをめぐる議論
10月24日(火)1・2限:制作事例:誤読と流転による作品制作
11月7日(火)1・2・3限:ゲストレクチャー1
11月21日(火)1・2限:ゲストレクチャー2
11月28日(火)1・2限:総括

教科書・参考書等

マーク・クーケルバーク『技術哲学講義』直江清隆・久木田水生:監訳、丸善出版(2023)
ユク・ホイ『中国における技術への問い——宇宙技芸試論』 伊勢康平:訳、ゲンロン(2022)

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