Sensory Museography
センサリーミュゼオグラフィーの副題は「身体化された認知に基づく展示空間の設計と鑑賞体験の多角的解析」です。
芸術作品の鑑賞体験における身体と空間の関係性は、知覚心理学、認知科学、美学、展示学、Human–Computer Interaction(HCI)などの分野で研究されています。展示空間における鑑賞者の動線や注視傾向等の行動情報を記録・分析する手法は、インタラクティブアートや博物館展示の分野で発展してきました。また、身体性と鑑賞経験の理論的基盤に現象学的美学があります。
本プロジェクトではこれらの方法論を統合し「身体化された認知」をテーマに展示空間を設計し、鑑賞者の視線、位置情報の計測に質問紙調査を組み合わせ、芸術学的作品解釈に工学的なデータ解析を加えます。そして得られた知見に基づき次回の展示空間設計を行うことで循環的設計手法を提案します。これにより美術教育やキュレーション実践に応用可能な知見を提示します。
想定している履修学生は、自作品の鑑賞プロセスを解析したい制作者、展示設計に興味を持つキュレーター志望者、視線計測や人物位置測定などのヒューマンセンシング技術を応用した研究の希望者などです。
先行研究のリサーチを進め機材の使い方を習得し、展覧会を企画します。会場としてはOPEN HOUSE(7月)、スイトピアアートギャラリー(11月)などを予定しています。テーマに沿ったキュレーションを行い、学生、ゲストアーティスト、教員の作品を展示します。
データ収集には視線計測(メガネ型アイトラッキングデバイス)、位置計測、アンケート調査を用います。分析方法は、①視線・位置データを時系列解析し、作品・空間との関係を明らかにする。②アンケートから鑑賞者の感覚的経験や認知的評価を抽出する。③身体的動きや視線パターンと鑑賞評価との関係性を可視化する。これらの方法を用います。
展覧会開催−分析が終了したらフィードバックを行い、次回の空間設計に反映させます。
2026年
~7月
研究領域と理論の整理を行う。
既存の展覧会(東京、6月末から7月にかけて開催)を利用した初回のデータ収集を行う。
OPEN HOUSEでの学生展示でデータ収集を行う。
11月の展覧会に向けてゲストアーティストとの調整を行う。
8月〜10月
データ分析から仮説を立て、11月の展覧会の空間設計を行う。
展覧会の準備を進め、役割を分担し、企画運営を行う。
先行研究の比較を行い、対象を多角的に分析する方法を学ぶ。
11月〜12月
スイトピアアートギャラリーにて展覧会を行う。
データ収集、分析を経て、研究成果をまとめる。
1月〜3月
卒展のプロジェクト展示にて一年間の成果発表を行う。
2026年 - 現在