IAMAS 2012
GRADUATION EXHIBITION

情報科学芸術大学院大学第 10 期生修了研究発表会
岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー第 15 期生卒業制作展

2012.2.16 [Thu] - 2.19 [Sun]
入場無料 Admission Free

作品名/作家情報

Tasty Pixels

作品形態: iPhoneアプリケーション

iPhoneから送られた画像データを実世界で再撮影し、不確定な変化・その環境の様子が元画像に付与されることを狙った画像加工アプリケーションです。

清水 基 / SHIMIZU Motoi

1984年生まれ 所属 DSP 経歴 Web制作(フロントエンドエンジニア) 出身 東京都

作品詳細

既存の画像加工アプリケーションでは、色相・彩度・コントラスト等のオリジナル画像のPixel色情報の変換、又はスタンプ・落書き等のObjectの追加によって加工がなされます。この工程は通常、デバイス(ここではiPhone)内で走っているプログラムのグラフィックスコンテキスト上で行われます。制作者によって予め決められた処理だけが行われるこの加工のプロセスに疑問を持ち、画像編集の際に画像データを一度実世界に通す事で起こる不確定な変化や、撮影スタジオの環境の様子が元画像に付与される事を狙っています。

実世界と同じ時間軸に加え、実世界と同じ位置情報が活発に機能している近年のインターネット体験を通して、数年前に比べて双方の距離が近づいている事に着目しました。自分が所有している画像データが、インターネット、実世界、場所を行き来しながら、オリジナルの素材とは別の意味合い/質感を得て自分の手元に返って来るプロセスが本作品の試みです。

IAMAS入学前・在学中を通してWebサイト、ネットワーク越しのコミュニケーションをキーワードにしたソフトウェアの制作を行って来ました。着想時に思い描いていた、ソフトウェアの制作をしている自分の作品のサイズ感として、大きなモノではなく「URL」や「iPhoneのホームスクリーンアイコン一つ」くらいの小さな入り口を考え、その奥に誰でもアクセス出来る大きい装置を収める事を狙っていました。

またIAMASに入学した目的の一つとして、画面上だけで完結しない実世界を絡めたネットワーク越しのインタラクションをキーワードにした作品を作る事を持っていました。前述の画像加工アプリケーションの加工工程をiPhoneの小さな筐体の外へ出したい、インターネットのRequestとResponseの間に自分が作った物を置き、データを実世界のフィルターに通したい、という想いから本作品の着想に至りました。