情報科学芸術大学院大学｜スタジオ 4

展示形態：映像インスタレーション。２台のスクリーンを使用。


「Out of Home」というタイトルの映像インスタレーションでは、２つのスクリーンが並び、２本の映像ループが同時再生される。同名のドキュメンタリー映画のフッテージを利用して制作されたこの作品は、今では「昔町家」として一般公開されている旧梶村家住宅に、かつての住人が蔵の中の残物を整理するために戻ってくるという過程をテーマにしている。きれいに修復された日本家屋は、その歴史もかつての生活も語らない、ただの空っぽな殻にすぎない。生活の匂いを憶えている人たちと、発掘される遺物によって家は一瞬「うち」として息を吹き返す。同時にそれが確実に失われたものだという事実を表明する。